2回目の公演を終えて…。

まずは「喜劇  暗がりの代筆屋」にご来場くださり有り難うございました。

沢山のお花に御祝い有り難うございました。

ひとつひとつの言葉がとても励みになります。

今回舞台をご覧になった方の中で、あっこれは、と思った方もいるかもしれませんが、そうこの戯曲の元になっているのは、Eロスタンの シラノ・ド・ベルジュラック。

自分はシラノの生き様、心意気にシンパシーを感じこれだと思い上演しようと決めました。

しかし国も年代も違うこの作品、ただそのまま上演するのでは芸がないと現代の日本に書き替えました。

まず主人公の容姿ですが、シラノは鼻がデカイと言うコンプレックスを抱えています。しかし鼻の大きいと言うコンプレックスは今いちインパクトがないんじゃないかと思い、考えついたのがV・ユゴーの、ノートルダムの鐘のカジモド。

カジモド程の特異な人間ならインパクトとしては十分あるだろうと思い、シラノにカジモドと言う事で、カジノと言う名前の主人公が生まれました。

そして次に電子ツールは今や1人に1台の時代。心を置き去りにした無機質な情報のやり取りが行き交うこの時代に、手紙を軸にした物語が上手く成立するのか、それに心を打つ詩の様な台詞が自分にうまく書けるのか少し不安でしたが…。

これは実際に自分の舞台を観ていただいた方の判断に委ねるとして…。

自分はこの作品を書き進めるにあたって、ただシラノをなぞるだけの物にしたくなかったのです。

現在の自分自身の日常生活の中で感じている事や目に見えない心のコンプレックスなど出来るだけカジノに投影したかったのです。

云わばカジノ=フジタくらいのつもりで…。

劇中でカジノは「俺は代筆屋だ」と自分の職業に誇りを持って生きているように、自分も役者と言う職業に誇りを持ちたかった、学生が、サラリーマンが余暇を趣味に費やす程度の活動に思われたくなかった。そんな思いでカジノの台詞を書き連ねたのです、例え生活が苦しくなろうと覚悟を見せたかった。

この心情はカジノとは違う立場の、AD役の米田や、社長役の藤堂にも語らせました。

しかし台詞でどんなに喋らせても所詮は言葉、口にしたそばから空に消えてなくなってしまう。なので最後にカジノはその覚悟を形にして見せるシーンを創りました。

そして自分はその覚悟を舞台という形にして表現しました。

暗がりのと題名にもある通り、光と陰に少し意識をめぐらせ、世間は目に見えるものスポットライトを浴びているところに注目しがちだけど、陰で踏ん張っている者にも意識を向けてほしい、自分を認めてほしいと言う承認欲求も素直に出してみました。孤独から抜け出したかったんです…。

何だか滑稽ですね。

でもいいんです、笑ってやってください、そう言う意味でも今回は喜劇ですので…。

まぁ個人的な思いもありますが、この作品を通じて、世知辛い世の中に生きる現代人の心が、少しでも軽くなればと願い心を削りながら一生懸命創りました。

幸いな事に沢山のお客様にも観ていただき、少しだけ◯◯Pソファの事を知ってもらえたように思います。

何とか第2回公演も無事に幕を閉じる事が出来ほっとしています。

これからも少しずつ、世間に振り回されない様にマイペースでやって行きたいと思います。演劇活動を役者業を続けるのは簡単ではないですが、これからも地道に頑張って行こうと覚悟を決めています。

どうぞこれからも応援宜しくお願い致します。

主宰 藤田久雄

〇〇Pソファ

主宰:藤田久雄 住永侑太 吉沢たかし 渕山将文 福地恭子

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